札幌コンサートホール Kitara

――「Kitaraのクリスマス」のプログラムに込めた想いや、各曲の聴きどころを教えてください。

横山　クリスマスにふさわしい、カラフルで華やかな曲目を意識しました。それぞれ親しみやすい音楽であると同時に、作曲家の卓越したオーケストレーションが光る作品ばかりです。
子ども達でも楽しめる御伽噺の世界の「くるみ割り人形」と、エルガーが少年時代に兄弟で演じた自作劇用に作曲し、大人になってからオーケストラの為に書き直した「子供の魔法の杖」はどちらも素直な曲調と馴染みやすい音楽です。それに対して「詩曲」と「ラ・ヴァルス」は官能的で、情熱的、衝動的な音楽なのでやや大人向けの世界観でしょうか。
クリスマスという特別なシーズンのコンサートの中で、きっと色々な感情が交錯する演奏会になるのではと思います。

――ソリストとして演奏していただくショーソン、サラサーテの作品について聴きどころを教えてください。

荒井　ショーソンの「詩曲」は、ロシアの文豪が書いた小説から愛を基に作った楽曲です。身悶えするほどの切ない思いがあふれ出し、魂を揺さぶるハーモニーやメロディーにはきっと聴いている皆さまも心を奪われることと思います。
サラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」は、サラサーテがジプシー音楽の影響を強く受けた作品で、情熱や悲しみなど感情的な表現と、ヴァイオリンならではの様々なテクニックが聴きどころとなっています。

――荒井 里桜さん、札幌交響楽団の印象やエピソードがあればお聞かせください。

横山　荒井 里桜さんは持ち前の美しい音色と共に、とても色彩感のある演奏をされます。また素晴らしい音程感、和声感を持っていると感じました。そこに演奏する姿の美しさも相まって不思議なオーラを放つヴァイオリニストです。彼女の持つ無二の世界観に会場の皆さんもきっと魅了されることと思います。
札響は僕が生まれ育った町のオーケストラです。札幌教育大時代にお世話になっていた先生方が所属されていたオーケストラで、その上藝大大学院時代の恩師である尾高先生と高関先生が指揮者として長く在任されていたこともあり、僕にとっては尊敬する大先生方のオーケストラ！というイメージが今も変わりません。2016年に初めてプロオケとのコンサートでデビューさせて頂いたのも札響でした。そのため今でもその指揮台に上がる時は他のオーケストラとは違う特別な緊張感があり、そしてそれ以上に大きな喜びがあります。

――横山マエストロの印象やエピソードがあればお聞かせください。

荒井　以前一度チャイコフスキーの協奏曲でご一緒させていただきましたが、とてもユーモアがありお優しく、温かく支えていただきました！またご一緒させていただけることを今からとても楽しみにしております！

――荒井さんはKitara初登場となりますが、北海道や札幌に対する印象や滞在中楽しみにしていることがあればお聞かせください。

荒井　Kitaraのコンサートホールは、響きがとても素晴らしいと噂でお聞きしており、初めて演奏させていただくのですが、それが1番の楽しみです。そして真冬の時期に札幌を訪れるのも初めてです。雪がどれくらい降り積もっているのか、年甲斐もなくワクワクしております（笑）
また、せっかく札幌を訪れることが出来るので、どこかでお寿司や味噌ラーメンもいただけたら嬉しいなと思っております。
素晴らしいホールと音楽家の皆さまと盛り沢山のプログラムでお届けするクリスマスコンサート、ぜひ皆さまに楽しんでいただけますよう、精一杯心を込めて私たちも楽しんで演奏したいと思います！

――マエストロは札幌ご出身とのことですが、帰ってくるときに必ずすることなどがあればお聞かせください。

横山　お世話になっている方と食事をしたり、古い友人と飲みに行ったり、あとは主にすすきのパトロールですね。(笑)
時間があれば父と登山にも行きます。
よく行くお店は同級生が親子二代で営む居酒屋一休、中学時代の後輩が営業するトラットリアのCosa Mangi?、妹分の幼馴染が働くCafe&Bar egg、札幌在住時代からの行きつけの居酒屋酒林坊へは大将の生存確認をしに行きます。ジンギスカンを食べるときは少し遠出して、地元のツキサップじんぎすかんクラブまで行ってマトンのジンギスカンをワインと共に食べるのが大好きです。
お店へ足を運んでお酒を飲んだり食事することは、僕にとってはそのお店の人や常連さん達に会いに行くことが大きな目的の一つです。人との繋がりは直接会うことで繋げていくものだと思っているので、仕事や音楽と関係なくどんな繋がりでも大切にしたいと思っています。

横山マエストロの行きつけマップ