オルガン
豊穣な響きが、聴く人の心を深く、強くゆさぶります。
大ホール正面に立つオルガンは、フランス・ストラスブールでオルガンの伝統的なスタイルを守るアルフレッド・ケルン社が、Kitaraのために2年の歳月をかけて製作したもの。
やわらかな銀色に輝くパイプは鉛とすずの合金で、北海道の針葉樹林をモチーフとしたデザインがほどこされ、凛とした美しさをたたえています。
パイプの数は一見少ないように見えますが、内部にもびっしりと並んでおり、その数じつに4,976本。設置と整音作業は4ヶ月を費やして慎重に行われました。68ストップから生まれる豊穣な響きは、深く強く聴衆の心をゆさぶることでしょう。
スライド集
オルガンについて
オルガンが教会の楽器として登場したのは1000年以上も昔のこと。以来西洋音楽史のなかで絶えず荘厳な音色を響かせてきました。
オルガン中央の風箱(ウィンド・チェスト)のなかには鍵盤と同じ数の小部屋があって、その下にはそれぞれ弁がついています。鍵盤を押すとそれに対応する風箱の弁が開き、その上に立てられたパイプの中にふいご(送風装置)でつくられた風が流れ込んで音が出るわけです。
1本のパイプが出せる音程や音色はひとつだけ。音色を変えるのは、演奏台(コンソール)の左右にあるストップ(音栓)です。ストップを操作することによって、さまざまな音色のパイプを使い分けることができます。
ケルン社について
オルガン製作にあたったケルン社は、オルガニストでもあったシュヴァイツァー博士のすすめによって、アルフレッド・ケルン氏が1953年に創設した名門のオルガン製作会社です。
ケルン氏は歴史的価値の高いオルガンの修復を数多く手がけた人物として知られており、木を大切に使う伝統的なスタイルは、2代目となった現在も受け継がれています。
ケルン社のあるストラスブールは、フランスとドイツの音楽文化の合流点であるアルザス地方に位置しています。ここで生まれた数々のオルガンの名作は、両国の音楽になじむという特色をもつようになりました。
海をこえた札幌の街にも、しっくりとなじむ重厚な音色をいつまでも響かせてくれるはずです。
大ホールのオルガン
演奏台
手鍵盤4段と足鍵盤
手鍵盤の左右についているノブは音色を変えるストップ
ペダル鍵盤の上のノブは、コンビネーションボタン
カプラー |
II/I、III/I、IV/I、IV/II、III/II、IV/III I/P、II/P、III/P、IV/P、II16’/I、II4’/I、III16’/I、III4’/I |
---|---|
鍵盤アクション | メカニカル |
ストップアクション | エレクトリック |
ストップ数 | 68 |
パイプ本数 | 4,976(装飾パイプ14本を含む) |
コンビネーション | 1000×30 |
製作・設計 | Alfred Kern & Fils Manufacture D'Orgues(フランス) |
組立 | Alfred Kern & Fils / ヤマハ(株) |
整音 | D.Kern |
設置年 | 1997年6月 |
外形寸法 | 960×390×1200 |
座席数 | 2,008席(車いすスペース12席) |
残響 | 満席時2.2秒 |