《札幌コンサートホール主催事業》ワーヘリ 出演者インタビュー公開!
2021年10月30日(土)開催の「〈Kitaraランチタイムコンサート〉ワーヘリ ユーフォニアム×テューバの魅力」に出演する、ワーヘリの外囿 祥一郎さん、次田 心平さん、ピアニストの松本 望さんに、コンサートの聴きどころなどを伺いました。今回は札幌と福岡のツアー公演ということで、両市の皆様へのメッセージも届けてくださいました。
1.ユーフォニアムとテューバ、それぞれの楽器の魅力を教えてください。
外囿 ユーフォニアムは主に吹奏楽の中で活躍する楽器です。今回はテューバとピアノとのトリオとしてお聴きいただきますが、超絶技巧や倍音の多い二つの楽器ならではの美しいメロディーもご堪能いただけると思います。
次田 テューバはオーケストラの中で最も低い音を受け持つ楽器です。音色も大きなベルから柔らかい音を出すことができます。音域も幅広く、ワーヘリでもこの楽器の魅力をお聴かせできると思いますので楽しみにしていてください。
2.今回のプログラムにはピアノの松本 望さんの作品も含め、ワーヘリのためのオリジナル作品、編曲作品などが予定されていますが、それぞれの聴きどころを教えてください。
次田 ワーヘリのプログラムは初めてお聴きになる曲でも皆さん楽しんでいただけると思います。ユーフォニアムとテューバで皆さんのお腹をいっぱいにします。各作品の聴きどころは、松本 望さんとリーダーの外囿さんが説明してくれます。
松本 ユーフォニアムとテューバという低音金管楽器ならではの温かい音色と大らかな歌、そして、そのイメージからはあまり想像できないような超絶技巧や疾走感、そのどちらも軽々と魅力たっぷりに実現できるのはワーヘリのお二人ならではだと思っています。ワーヘリのために書いた私のオリジナル曲、編曲のどちらも、このデュオのそうした魅力をお伝えできるよう、様々な奏法や楽想、音域など、色々盛り込んだ欲張りなものになっています。
『ハンガリー舞曲』
おなじみの曲ですが、ユーフォニアム、テューバがそれぞれ交替でメロディーを演奏したり、バスや伴奏に回ったり、色々な役割を担当しますので、場面ごとの変化をお楽しみください。
『空への階段』
上行する音階が主要なモティーフになっています(「音階=音の階段」、「上行=空へ上るイメージ」ということでこのタイトルをつけました)。三つの楽器による混沌とした響きの微かな上行形から始まって、その後に現れる幅広い音価の階段がだんだん狭まり、最後の部分では急速に上りながら疾走していきます。
『ハンガリー狂詩曲』
もともとピアノソロのための超絶技巧曲ですが、三つの楽器による超絶技巧曲として編曲し直しました。特にユーフォニアムとテューバのパートには、この楽器でできるあらゆる事をこれでもかと目一杯盛り込んでいます。三人によるスリリングな競演をお楽しみいただければと思います。
『アロハ・オエ・ディエス・イレ』
外囿 作曲家の中橋 愛生さんはとてもユニークな方です。僕はこの作品を委嘱した時(2012年)に「ディエス・イレ」をモティーフにした作品をお願いしました。言葉遊びが好きな中橋さんは、語呂が似ている「アロハ・オエ」が反射的に浮かんだそうです。しかし書き進めていくとヴィルトゥオーゾ・ピースにするというのがとても大変だったそうです。ユーフォニアムとテューバのために書かれたこの作品、短いながら内容の濃い作品です。
『「カルメン」の主題による幻想的組曲より』
世界中で一番有名なオペラと言っても過言ではないビゼー作曲のオペラ「カルメン」。どの曲も一度は耳にしたことのあるメロディーではないでしょうか?ユーフォニアムとテューバの使い方に定評のある若手作曲家の西下 航平さんに、カルメンを再翻訳したような自由な解釈によって大胆に編曲していただきました。今回は、その中から映画音楽風の「プレリュード」、タンゴ風な「ハバネラ」、「闘牛士の歌」、そしてボサノヴァ風の「夜想曲」を演奏します。
3.吹奏楽部等で金管楽器を演奏している子どもたち、学生の皆さんへのアドバイスやメッセージをお願いします。
外囿 皆さんこんにちは。僕も中学高校と吹奏楽部に所属していました。金管楽器は息と唇の振動で音が出ています。それぞれ練習の方法も似ていますよね。ロングトーンやリップスラーなど。さて、昔の話になりますが、僕は高校生の頃にアメリカのシカゴ交響楽団の録音によるマーラーやチャイコフスキーの交響曲をよく聞いていました。その中でもショルティというハンガリー出身の指揮者の躍動感溢れる演奏が好きで、よく聞きました。シカゴ交響楽団の金管セクションは当時屈指の名手揃いで、どうやったらこんな演奏ができるんだろうと不思議に思ったものです。その疑問こそが僕の原点なのかもしれません。そして今回のワーヘリの演奏会。皆さんの「どうやったら上手くなれるんだろう」のヒントがたくさんある演奏会だと思います。ぜひ会場でお会いしましょう。
次田
コロナで練習もままならない大変な時を過ごしていると思います。皆さんが音楽に対するモチベーションをさらにチャージできるように頑張るので、会場で会いましょう!
4.今回は札幌、福岡でのツアー公演となりますが、札幌と福岡のお客様にメッセージをお願いします。
外囿
ユーフォニアム、テューバ、ピアノによるアンサンブルは、吹奏楽ファンの皆さんでもなかなか聴く機会がない珍しい編成で、一生のうちに何度も聴けるものではないと思います。ユーフォニアムやテューバを普段オーケストラや吹奏楽の中で聴くことはあっても、なかなか取り出して聴くことはないのではないでしょうか?ワーヘリのコンサートでは豊かな響きに包まれた空間で「マジック」が起きます。倍音をたくさん感じてみましょう!
次田 札幌も福岡も大好きな街です!街も素敵だし何より食べ物が最高!どちらも何度か演奏で訪れていますが、お客様の雰囲気も素晴らしいと記憶しています。この公演でも皆さんと一緒に素敵な空間を作り上げられればと思います。楽しみにしています!
松本 私の故郷である札幌には、コロナ禍を挟んで2年以上帰れていません・・。今回、久しぶりに故郷に帰って、懐かしい空気の中、大好きなホールでお客様に音楽をお届けする機会があることを本当に嬉しく思っています。また、訪れるたびにエネルギーを感じる福岡の街に久しぶりに行けることもとても楽しみです。どちらの公演も、聴きに来てくださるお客様に、今の世の中への不安やネガティヴなことからひととき離れていただけるような、エネルギー溢れるワクワクするような音楽をお届けできればと思います!
〈Kitaraランチタイムコンサート〉ワーヘリ ユーフォニアム×テューバの魅力
日時:2021年10月30日(土) 12:30開場 13:00開演(14:00終演)
会場:札幌コンサートホール 小ホール
終演後には、チケット購入者限定のトークイベントも開催予定です。(1時間程度)
トークイベントは、チケットをご購入のうえ、こちらのフォームからお申し込みください。(6月30日(水)より受付開始)
公演の詳細はこちらからご確認ください。
皆様のご来場をお待ちしております。