《札幌コンサートホール主催事業》Kitaraのニューイヤー 指揮者インタビュー公開!

2022年1月8日(土)開催の「Kitaraのニューイヤー」指揮 齋藤 友香理さんに、コンサートの聴きどころなどを伺いました。

1. 北海道・札幌での指揮は初めてとお聞きしました。北海道や札幌への印象を教えてください。

 札幌コンサートホールKitaraには演奏会に伺ったことがあり、とても素晴らしいコンサート
ホールだと感じたのを覚えていますので、そのホールに立つことができるのをとても嬉しく思います。そして、トマムにスキーに行ったこともあります。雪質がとても良くて遊びすぎたことを思い出します。


2. 「Kitaraのニューイヤー」公演のプログラムの聴きどころを教えてください。

 私がドレスデンで勉強した経験を基に、ニューイヤーを楽しんでいただけるようプログラムを選びました。前半はドレスデン音楽大学(正式名称はドレスデン・カール・マリア・フォン・ウェーバー音楽大学)にちなみ、ドイツオペラ伝統を引継ぎ世に出したウェーバーの「オベロン序曲」。そして、よく劇場で聴いていたバレエ演目のひとつで、皆さんもお馴染みのメロディーが出てくる「白鳥の湖」。

 後半は、ニューイヤーにふさわしくレハールのオペレッタを素晴らしいソリストと一緒に楽しんでいただき、ヨハン・シュトラウス2世の軽やかで煌びやかな音楽をお送りしようと思っています。聴きどころは全てと言いたいところですが、強いて言えばオペレッタですね。2作品のハイライトをお送りしますので、楽しく甘く美しい音楽が感じられることと思います。


3. 齋藤さんが指揮者を目指したきっかけや、経緯を教えてください。また、齋藤さんの思う「指揮者」という仕事の、一番の魅力は何でしょうか。

 一番のきっかけは、高校生の時に文化祭で行ったミュージカルの指揮です。指揮というものが何も分からない状態で試行錯誤している頃に、自分が思う音楽にオーケストラやキャストの皆がついて来てくれている感覚をとても特別なものに感じて、指揮に興味を持ちました。指揮者の魅力は生きた音楽をその一瞬一瞬の空間で操り、それを大勢の人と一緒に感じることができることだと思っています。


4. ドイツ・ドレスデンでの音楽活動や生活、印象に残っているエピソードを教えてください。また、2015年ブザンソン国際指揮者コンクールで聴衆とオーケストラが選ぶ最優秀賞を受賞された際に感じたことや、受賞する前と後で変わったことがあれば教えてください。

 ドレスデン近郊の街、モーリッツブルクでの音楽祭で、チェリスト、指揮者のハインリヒ・シフ氏のアシスタントをしました。そして、彼から湧き出る音楽に圧倒されたことをよく覚えています。それから数年して彼は亡くなってしまいましたが、出会えて良かった音楽家です。
 他にも、音大の教授の友達ということで、シュターツカペレ・ドレスデンの首席指揮者クリスティアン・
ティーレマン氏と生徒たちとの交流の場がありました。その時、彼は「薔薇の騎士」のリハーサルの最中で、お部屋のピアノの椅子に座り、「ここがね、いいところなんだよね」と私たちに話しながら、ピアノを弾いてくださいました。その後も、一緒に夕食を食べながら、音楽について話してくださる機会もありました。第一線で活躍されている指揮者の言葉を聴けることは、私にとって宝物ですし、彼の演奏会やオペラでは、いつもどこかの箇所で涙を流してしまうのです。今でも思い出すだけで涙が出てしまう演奏もあるくらい。不思議でなりません。
 コンクールで聴衆賞とオーケストラ賞をいただいた時は、自分の音楽が少し認められたと思い、とても嬉しい気持ちでした。その後、コンクールを聴いてくださった方から演奏会への出演を依頼されたり、指揮者としてのチャンスが少しずつ広がりました。バイエルン国立歌劇場でキリル・ペトレンコ氏のアシスタントを数ヶ月務めた時は、たくさんの歌手に会い、多くのことを学びました。


5. 以前、齋藤さんの特集番組・WEBページで、“「なんでだろう、涙が出る」という演奏をしたい。”という言葉を拝見しました。齋藤さんが目指す、「指揮」や「演奏」について、お聞かせください。

 これは、私が実際、演奏会で自然と涙が出ることがあり、とても幸せな気持ちになる体験をしていることからきています。その時に感じる、この音楽に出会って良かったと思える演奏を目指したいと常に思っています。そのツボは一人一人違いますし、私自身どこにそのツボがあるのか分からないことが多いのですが、それを自分でも探りながら、ひとりでも、この音楽を聴いてよかった、あるいはそれがずっと心の中に残るような音楽を目指したいと思っています。


6. 北海道、札幌の皆さまへメッセージをお願いします。


 今回、初めて札幌コンサートホールKitaraで演奏をさせていただきます。ニューイヤーにふさわしく、オペラ、バレエ、オペレッタと楽しく美しい音楽をソプラノの冨平 安希子さん、テノールの宮里 直樹さん、そして札幌交響楽団の皆さんと一緒にお贈りいたします。素敵なコンサートホールで皆さまと一緒にこの瞬間にしかない音楽を体感できければと思っています。皆さまにお会いできることを心から楽しみにしております。


Kitaraのニューイヤー
日時:2022年1月8日(土) 14:15開場 15:00開演
会場:札幌コンサートホール 大ホール
公演の詳細はこちらからご確認ください。


皆さまのご来場をお待ちしております。