リスト音楽院セミナー
第25回リスト音楽院セミナー
第25回リスト音楽院セミナーを下記のとおり開催いたします。ピアノコース及びチェロコースの受講生、全期間聴講生、リスト音楽院のノン・ディグリー・プログラム入学試験受験者を募集します。
セミナー概要
会場 | 札幌コンサートホール Kitara 小ホール |
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日程 | 2023年2月22日(水)~26日(日)までの5日間 ※2月21日(火)に受講生選考オーディションを行います。(生演奏) |
コース | ピアノ、チェロ |
申込締切 | 2022年12月2日(金) |
ノン・ディグリー・プログラム入学試験
リスト音楽院のノン・ディグリー・プログラムの入学試験を実施します。詳細についてはリスト音楽院セミナー募集要項をご覧ください。
募集年度 | 2023/2024年度(2023年8月下旬~2024年6月中旬予定) |
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試験日 | 2023年2月27日(月)午前中を予定 |
会場 | 札幌コンサートホール Kitara 小ホール |
申込締切 | 2022年12月2日(金) |
申込方法
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ウェブもしくは申込書からお申込みください。(9月30日(金)から申込受付開始)
今回からウェブでの申し込みが
可能になりました。(12月2日(金)申込締切)- ピアノコース申込
※セミナーとノン・ディグリー・プログラム入学試験の両方を希望する方もこちらからお申込みください。
- チェロコース申込
※セミナーとノン・ディグリー・プログラム入学試験の両方を希望する方もこちらからお申込みください。
- ノン・ディグリー・プログラム願書請求
※セミナーは受講せず、ノン・ディグリー・プログラム入学試験のみをご希望の方はこちらからお申込みください。
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ウェブもしくは申込書でのお申込み後、12月9日(金)までに以下の振込先へ受講料等を納入してください。
<振込先>
北海道銀行 真駒内支店 普通口座 0526281
公益財団法人 札幌市芸術文化財団 理事長 秋元 克広
リスト音楽院セミナーとは
リスト音楽院教授による熱心な指導が受けられる貴重な機会
札幌コンサートホールが1997年の開館以来、継続して開催しているセミナーです。ハンガリーの名門、リスト音楽院の教授たちによる熱心な指導が受けられる貴重な場として、毎年多くの方々が受講しています。セミナーにはレッスンのほか、「講師による特別コンサート」や「歴代最優秀受講生によるランチタイムコンサート」、「特別レクチャー&公開レッスン」、優秀受講生が出演する「受講生コンサート」が含まれ、受講生は自由に聴くことができます。また、このセミナーで選ばれた最優秀受講生には、札幌コンサートホールからの派遣として、ブダペスト・スプリング・フェスティバル等に出演する資格が与えられます。
日本人学生のために特別にリスト音楽院入学試験を実施
通常、外国人が同音楽院の入学試験を受験する場合、音源による審査もしくはブダペストでの実技試験を受験する必要があり、日本からの受験生には負担が大きいものでしたが、このセミナーでリスト音楽院学長経験者をはじめとする教授陣が来札するのを機に、札幌コンサートホールに入試事務局を置き、日本人学生のために特別に入学試験を実施しています。
札幌で行うリスト音楽院入学試験に合格すると、その場でリスト音楽院への入学資格(Non Degree Programme※)を得ることができます。
この試験により、伝統ある音楽院の門戸が日本の音楽を学ぶ学生に大きく開かれているのです。
※1年を最短期間としてリスト音楽院で自由に勉強する制度で、履修証明を請求することはできますが、ディプロマ(卒業証明)は取得できません。
レッスンの聴講が可能
セミナー期間中、誰でもレッスンの様子を見学、聴講することができます(有料)。
どのようなレッスンが行われるのか、セミナー受講を検討する方も今後の参考にぜひご活用ください。
- 全期間聴講生…事前申込制。ウェブ上の全期間聴講生申込ページもしくは申込書からお申込みください。
聴講料 一般15,000円、U25 5,000円 - 一日聴講生…一日単位で聴講できます。聴講を希望する方は、当日来場時に現金にて聴講料をお支払いください。(聴講券の前売販売はございません。)
聴講料の詳細は決まり次第ホームページ等でお知らせいたします。
(一般3,000円~4,000円、U25 1,000円を予定)
※レッスンスケジュールの詳細は決まり次第、札幌コンサートホームページ等でお知らせいたします。
今回のセミナー内容
実施コース
- ピアノコース(ソロ/デュオ)
- チェロコース(ソロ/デュオ/トリオ)
レッスン
- ピアノコース・チェロコース 約1時間×2回、日本語通訳付
- 市内音楽家のための特別レッスン 約45分×1回、日本語通訳付
関連事業(各事業とも札幌コンサートホールKitara小ホールで開催)
- 講師による特別コンサート ミクローシュ・ペレーニ&イシュトヴァーン・ラントシュ
日時 2月22日(水)18:30開場、19:00開演
出演 チェロ/ミクローシュ・ペレーニ
ピアノ/イシュトヴァーン・ラントシュ
料金 全席指定(税込)一般4,500円、U25 2,000円 - 歴代最優秀受講生によるランチタイムコンサート
日時 2月23日(木・祝)11:45開場、12:15開演(13:00終演予定)
出演 ピアノとお話/水野 魁政(第23回リスト音楽院セミナー最優秀受講生)
お話/ガーボル・ファルカシュ
通訳/谷本 聡子
料金 全席指定(税込)500円 - 特別レクチャー&公開レッスン
日時 2月25日(土)10:00開場、10:30開講(13:00終了予定)
レクチャーテーマ バルトーク:ミクロコスモス
出演 講師/バラージュ・レーティ
通訳/谷本 聡子
ピアノ(公開レッスン)/札幌大谷大学、北海道教育大学岩見沢校学生
料金 全席指定(税込)一般1,000円、U25 500円 - 受講生コンサート
日時 2月26日(日)15:00開場、15:30開演
出演 ゲスト/古川 佳奈(第24回リスト音楽院セミナー最優秀受講生)
担当講師の推薦を受けた優秀受講生(6~8名程度)
料金 全席指定(税込)500円
※各公演ともに12月10日(土)よりKitaraチケットセンター他市内プレイガイドで販売します。
講師プロフィール
イシュトヴァーン・ラントシュ (ピアノ) István Lantos
ブダペスト生まれ。1968年、リスト音楽院に入学。ショイモシュ・ペーターに師事。69年、バイロイトでバルトークのピアノ協奏曲 第3番を演奏し、デビュー。その後、アメリカ、ヨーロッパ各国で広く演奏活動を行うと共に、国際的な教育者としても活躍。
1974年よりリスト音楽院で後進の指導にあたり、86年から3年間、北海道教育大学で教鞭をとる。世界でも珍しい初見能力を持ち、驚嘆に値するエピソードは多数。深く広い知識に支えられた、繊細かつ迫力に満ちた演奏で聴衆を魅了している。
1994~97年、リスト音楽院学長。ブダペストのリスト・フェレンツ国際ピアノコンクールをはじめ、日本国際音楽コンクールほか、各国の国際コンクールで審査員を務める。2018年、ハンガリー政府より最高賞のコシュート賞を授与される。リスト音楽院セミナーには初回から参加。
ミクローシュ・ペレーニ (チェロ) Miklós Perényi
ブダペスト生まれ。7歳でリスト音楽院に入学。その後ローマの聖チェチーリア音楽院に留学。1963年、カザルス国際チェロコンクールで入賞し、カザルスから指導を受ける。70年、ハンガリー政府より「リスト賞」を受賞。74年からリスト音楽院で教鞭をとり、80年に教授に就任。
ソリストとして世界各国でコンサート出演や、エディンバラ、プラハ、ザルツブルク等の主要音楽祭やプラド(パブロ・カザルス)等の国際チェロ音楽祭へも多数客演。室内楽奏者として、ラーンキ、シフ、ケラー・カルテットら一流の演奏家との共演も多い。
多数のレーベルに録音があり、栄誉ある「コシュート賞」(80年)、「バルトーク=パストリ賞」(87年)を受賞するほか、ベートーヴェンのソナタ全曲録音CDは、2005年カンヌ・クラシック・アワードを受賞。
1978年に初来日を果たして以来度々来日し、リサイタルをはじめNHK交響楽団、東京都交響楽団、札幌交響楽団等とも共演。
リスト音楽院セミナーには第1回の97年及び2006年、09年、11年、13年、15~20年に講師として参加。
ガーボル・ファルカシュ (ピアノ) Gábor Farkas
2005年、リスト音楽院卒業。ゾルターン・コチシュとタマーシュ・ヴァーシャリ指導のもと、14年に同音楽院博士号取得。同時に、コモ湖国際ピアノアカデミーにて、ウィリアム・ナボレー氏のもとで研鑽を積む。
2015年、ニューヨークコンサートアーティスト&アソシエイト主催コンクールにて最優秀賞を受賞し、16年、カーネギーホールにてデビューリサイタルを行う。ワイマール第6回国際リストピアノコンクール第1位、聴衆賞及びベストハイドンソナタ演奏者賞(09年)、ハンガリー全国ラジオピアノコンクール第1位(03年)ほか、多数のコンクールで数々の賞を受賞している。また、12年にはハンガリー最高芸術家賞であるフランツリスト賞を受賞。
世界各地で演奏活動を行っているほか、ゾルターン・コチシュ、アダム・フィッシャー、小林 研一郎ほか著名な指揮者と共演し、絶大な信頼を得ている。
現在、リスト音楽院ピアノ科主任教授。東京音楽大学等で若い世代の育成にも力を注いでいる。
バラージュ・レーティ (ピアノ) Balázs Réti
1974年ブダペスト生まれ。リスト音楽院でジョルジュ・ナードル氏の指導のもと研鑽を積み、98年優秀な成績で卒業。99年よりリスト音楽院で後進の指導にあたり、2007年博士号取得。
アイルランド ダブリンのナショナル・コンサート・ホール、ドイツのベルリン・コンツェルトハウスなどヨーロッパ各地で演奏するほか、アメリカ、日本、南アメリカ、インドネシア、カザフスタンなど世界各地で演奏活動を行う。また、ハンガリー国内外のピアノコンクールの審査員を務め、日本、イタリア、ポーランド、ペルーなどでマスタークラスを開講し好評を博している。
リスト音楽院とは・・・
ハンガリーが生んだ偉大な作曲家、ピアニストであったフランツ・リストにより1875年にハンガリー・ブダペストに創立されたリスト音楽院は、作曲家のバルトーク、コダーイ、ヴァイオリニストのシゲティ、指揮者のショルティなど、世界的な音楽家を輩出している歴史ある音楽院です。1960年代以降はラーンキ、コチシュ、シフなど優れたピアニストが巣立ったことでも知られています。札幌の「リスト音楽院セミナー」の指導教授も同音楽院の出身者。リストに連なる第5世代、第6世代の音楽家が、その伝統を札幌で若い音楽家に直接伝えます。
過去の受講生の声
- とても勉強になりました。音楽という幅広い世界を改めて感じることができました。他の方々のレッスンもとても良い刺激になりました。ありがとうございました。
(ピアノコース、10代) - 自分自身のレッスンはもちろんですが、他の方のレッスンからも得られるものがとても多く、4日間の毎日が充実していました。先生のアドバイスや周りの受講生の演奏から吸収するものが沢山あり、参加して本当に良かったと思います。ありがとうございました。
(ピアノコース、20代) - 参加が初めてだったので、皆さんとても優秀で、本当に驚き、とても質の高いセミナーだと思いました。また、セミナー自体が良心的で、道外からでも足を運んで学びに来る価値のあるセミナーでした。
(ピアノコース、20代)
ブダペスト・スプリング・フェスティバルのレポート
2022年4月29日~5月15日にわたって開催されたブダペスト・スプリング・フェスティバルのコンサートに、第22回リスト音楽院セミナー最優秀受講生 水野 優也さんと第23回リスト音楽院セミナー最優秀受講生 水野 魁政さんが出演されました。コンサートは「札幌からブダペストへ」という公演名で紹介され、多くのお客様にお二人の演奏をお楽しみいただきました。お二人のコンサート出演に関するレポートをご紹介します。
【水野 優也(第22回リスト音楽院セミナー最優秀受講生)】
■水野 優也 チェロリサイタル■
日時/2022年5月2日(月)19:00開演
会場/Óbudai Társaskör, Till Ottó Hall
出演/水野 優也(チェロ)、山神 壮平(ピアノ)
プログラム/ベートーヴェン:モーツァルトの歌劇《魔笛》より
「恋人か女房か」の主題による12の変奏曲 へ長調 作品66
リゲティ:無伴奏チェロ・ソナタ
ストラヴィンスキー:イタリア組曲
尾高尚忠:夜曲
ブラームス:チェロ・ソナタ 第1番 ホ短調 作品38
現在、リスト音楽院に在籍し、チェロを学んでおります。今回はハンガリー最大の文化イベントでクラシック音楽や舞台などの上演が繰り広げられる「ブダペスト・スプリング・フェスティバル」においてリサイタルをさせていただきました。当初は2020年の4月に行われる予定でしたが、コロナ禍の影響で無期限の延長となり、2022年5月2日、ようやく待望の日を迎えました。その間に2年が過ぎたので、プログラムも再構築しました。
まずはリスト音楽院に入学してから室内楽でお世話になった先生(残念ながら昨年亡くなられました)との一番の想い出である、ベートーヴェンの魔笛の主題の変奏曲を演奏しました。今でもユーモアあふれる先生の表情が思い浮かびますが、懐かしい時間を振り返りながら演奏しました。次にハンガリーの作品からリゲティの無伴奏のチェロ・ソナタ。師匠であるペレーニ先生とのレッスンで印象に残っている曲のひとつで、目の前で弾く彼の姿がいつも頭から離れません。ペレーニ先生が会場に聴きに来てくれたのですが、実は普段のレッスンでは1曲を通して弾くことがほとんどないので、演奏している間に何も言われずに弾き通すことが実に不思議な感覚でした。そして前半をストラヴィンスキーのイタリア組曲で締めました。
後半はまず尾高 尚忠の夜曲を演奏しました。作曲者の尾高氏は私の日本での師匠の伯父でもあり、出版されている楽譜も師匠の校訂版なので、今回取り組めて光栄でした。教会の鐘が鳴り響き、なかなか演奏を始められないハプニングもありましたが、会場が和やかな雰囲気でとてもリラックスして臨めました。そして最後はブラームスのチェロ・ソナタ 第1番。もともと当初のプログラムでも予定していた曲で、現在リスト音楽院で伴奏員を務めるピアニストの山神 壮平さんと時間をかけて取り組んでいたので、自信を持って弾き切ることができました。
会場には在ハンガリー日本大使館の大鷹大使をはじめ、リスト音楽院の仲間たちも駆けつけてくれて、とても雰囲気のよい空間で充実した時間を過ごすことができました。
ハンガリーに留学するきっかけとなった札幌コンサートホールのリスト音楽院セミナーでの最優秀受講生としてのリサイタル、という機会をいただけたことに大変感謝しております。
【水野 魁政(第23回リスト音楽院セミナー最優秀受講生)】
■水野 魁政 ピアノリサイタル■
日時/2022年5月5日(木・祝)19:00開演
会場/Óbudai Társaskör, Till Ottó Hall
出演/水野 魁政(ピアノ)
プログラム/ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第31番 変イ長調 作品110
平井 康三郎:さくらさくら~ピアノのための幻想曲
リスト:超絶技巧練習曲集S.139より 第10番 ヘ短調
コダーイ:マロシュセーク舞曲
ムソルグスキー:展覧会の絵
2022年5月5日にブダペスト・ブランド主催「春の音楽祭」の1つとしてÓbudai Társaskörにてソロリサイタルを開催させて頂きました。
私自身2020年9月よりリスト音楽院修士課程で勉強していますが、ブダペストでのフルリサイタルは初めての経験ということで、楽しみと不安が非常に入り交ざりながら過ごした準備期間と本番当日でした。プログラムはムソルグスキー「展覧会の絵」をメインに据え、前半はベートーヴェンの「ピアノ・ソナタ第31番」、ハンガリーの作曲家であるリストの「超絶技巧練習曲 第10番」とコダーイの「マロシュセーク舞曲」、そして邦人作曲家 平井 康三郎さんの「さくらさくら幻想曲」を演奏させていただきました。
コンサートへはハンガリー在日本大使閣下や大学の先生や友人、現地の小学生からご年配の方までと、約200人の幅広いお客様がご来場してくださいました。アンコールはショパン=リストの「私のいとしい人」とサン=サーンスの「練習曲Op.111-6」の2曲を弾かせて頂けるという大いに盛り上がるコンサートとなりました。
ハンガリーでもコロナが深刻だった時期は長く、授業やレッスンがオンラインになったり、コンサートが中止や延期になったりと思うような生活ができなくなっていました。なれない海外生活というのも相まって日々ストレスが溜まり、留学生活になかなか価値を見いだしにくい中このような貴重な機会を与えてくださり、また最大限のサポートをしてくださったリスト音楽院セミナー関係者の皆様に感謝申し上げます。また、いつもご指導くださっているガーボル先生、レーティ先生、そしていつも応援してくださる皆様にも心から感謝申し上げます。